「資格を取ったほうがいい」と言われても、実際にどんな目的で取得すべきか悩んでいませんか。
資格は就職や転職を有利にするだけでなく、スキルアップやキャリアの選択肢を広げる手段としても有効です。
また、履歴書や面接で資格をアピールする際には、目的に合った伝え方を知っておくことが大切です。
本記事では、資格取得の目的や動機を就職・転職・自己成長といった観点から解説し、シーン別の伝え方や例文も紹介します。
資格取得の意義を明確にしたい方は、ぜひ参考にしてください。
資格を取得する理由とは?
資格を取得する理由は、就職活動に活かしたりスキルアップしたりなど、人によってさまざまです。
また、仕事以外の目的で取得する人もいるでしょう。
まずは資格を取得する人の主な理由から解説します。
就職・転職で有利になるから
資格は就職や転職活動において、自分のスキルや知識を客観的に証明できる大きな武器になります。
特に未経験分野への転職や実務経験が少ない若年層にとっては、資格を持っていることが企業への信頼材料になることもあります。
企業によっては、資格保有者を条件とした求人を出しているケースもあり、採用の可能性を広げるための有効な手段といえるでしょう。
何ができるのかを具体的に伝える手段として、資格は非常に有効です。
スキルアップ・キャリアアップのため
現職での業務に役立てたい、より専門性を高めたいという目的で資格を取得する人も多くいます。
業務の幅を広げたり、昇進・昇給のチャンスを得たりするには、専門的な知識やスキルの証明が必要とされる場合もあるでしょう。
自己投資としての資格取得は、今の仕事に深みを持たせるだけでなく、将来的なキャリア形成にもつながる重要なステップです。
独占業務や実務で必要だから
特定の資格がなければ法律上その業務に就けない資格は、実務を行ううえで取得が必須となります。
代表例として、弁護士・税理士・宅建・電気工事士・美容師などがあります。
これらの資格は名刺や肩書きだけでなく、仕事そのものをするための前提条件となるため、業界での信頼性や責任を伴う役割を担うことになります。
また、資格があることで顧客や取引先からの信用も得やすくなり、独立・開業の際にも大きな後押しとなります。
その仕事をしたいと思ったときに資格が必要であることも多いため、キャリアの目標が明確な方ほど、計画的な資格取得が重要です。
自己成長や自信につながるから
資格取得は単なる知識やスキルの習得だけでなく、自分に対する自信や成長実感を得る手段としても大きな意味を持ちます。
特に社会人になってからの学び直しは、達成感や自己肯定感を強く得られる機会です。
「目標に向かって努力する」「成果を形にする」というプロセス自体が成長につながり、日常生活や仕事にも良い影響を与えてくれます。
また、興味のある分野を深く学ぶことは、自分の価値観や方向性を見つけるきっかけにもなります。
資格を取ることで「次は何をしよう」と新しい挑戦への意欲が湧き、人生に前向きな変化が生まれることも少なくありません。
人生の選択肢を広げたいから
資格を取得することで、自分の将来の選択肢を増やすことができます。
転職や副業、再就職など、ライフステージや価値観に応じた働き方を実現するための材料になります。
人生100年時代といわれる今、長く働くうえでの「選択肢の確保」は非常に重要です。
資格はそのための武器になってくれる存在です。
資格を取得した理由を伝えるポイント
面接や書類など、シーン別に資格を取得した理由の伝え方のコツを紹介します。
せっかく資格を取得しても、採用担当者が納得するような理由を伝えられなければ効果的なアピールとはいえません。
希望の企業から内定を獲得するためにも、確認しておきましょう。
面接で回答するとき
面接で資格取得の理由を聞かれた際は、目的意識と行動力を具体的に伝えることがポイントです。
例えば「事務職を目指すにあたり、即戦力になれるようにMOSを取得しました」のように、職種との関連性を伝えると説得力が増します。
資格を取るためにどのような学習を行い、何を得たのかを簡潔に説明することで、努力や継続力も評価されやすくなります。
面接官が知りたいのは単なる資格名ではなく「なぜその資格を選び、どのように活かそうとしているか」のため、意欲と実行力が伝わる回答を心がけましょう。
履歴書・エントリーシートに書くとき
履歴書やエントリーシートに資格の取得理由を書く場合は、職種との関連性を明確にし、志望動機とつなげることが大切です。
「販売職を希望しており、知識を習得するために販売士2級を取得しました。」など、実務での活用を意識した記述が効果的です。
学習方法や取り組み姿勢も伝えると「この人は目標に向かって自発的に動けるタイプだ」と評価されやすくなります。
志望動機の補足として記載することで、より説得力のある応募書類になります。
退職理由や空白期間とセットで伝えるとき
退職後やブランク期間に資格を取得していた場合は、それを前向きな行動としてアピールすることが大切です。
「自己成長のために医療事務の資格を取得し、再就職に備えて準備をしてきました。」など、空白期間を“準備期間”として位置づけましょう。
「時間があったから」ではなく、「今後に向けたスキルアップのために活用した」と伝えることで、主体性と目的意識が伝わります。
取得した資格と次に目指す仕事の関連性を示すことで、キャリアの一貫性も強調できます。
空白を補うのではなく、次のステップへの準備だったという姿勢を明確にするのが成功のポイントです。
企業が資格取得を評価する理由
企業が応募者の資格取得を重視するのは、単にスキルの有無だけが理由ではありません。
ここでは、資格取得が採用評価でプラスになる3つの主な理由を解説します。
専門性・信頼性が証明される
資格は、その分野における一定の知識や技能を有していることを客観的に証明する手段です。
企業は応募者がその資格を持っていることで、業務に必要な知識が既に備わっていると判断できます。
例えば、宅建や医療事務、簿記などの資格を持っていれば、専門用語や実務の基礎を理解していると評価されやすくなります。
未経験分野への応募であっても、資格があることで本気度や準備力が伝わり、採用の可能性が高まります。
「この人は信頼して仕事を任せられそうだ」と思わせる材料になるのが、資格の持つ大きな強みです。
継続力・計画性・努力の証になる
資格取得の過程には学習計画の立案や継続的な努力、スケジュール管理などが求められます。
これらのプロセスを完遂したこと自体が、応募者の人間性や仕事に対する姿勢を示すポイントになります。
特に社会人や学生が忙しい合間を縫って資格を取得している場合は「時間を有効に使える」「自己管理能力がある」と高く評価されることもあるでしょう。
努力を継続できる人材は入社後の成長も期待できると判断されやすく、面接でも好印象を残しやすい要素です。
入社後に活かせるスキルと判断される
企業が資格取得を評価するもう一つの大きな理由は、そのスキルが入社後に即戦力として役立つからです。
MOSであれば資料作成、簿記であれば経理業務、FPなら顧客への提案など資格内容が業務に直結している場合は特に有利です。
資格を取得しているということは、その業務に対して関心や意欲がある証とも捉えられます。
実務との親和性が高い資格は、入社後の活躍が期待できる人材として、書類選考や面接で好印象につながるのです。
資格取得理由の例文
格取得の理由を伝える際は、目的に応じた言い回しや具体性が重要です。
ここでは、新卒・就活時の「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」や、転職・再就職時に使える実用的な例文を紹介します。
就活・新卒向け|ガクチカの例文
例文①:簿記2級の場合
将来、経理や事務職に携わりたいという思いから、在学中に日商簿記3級の資格を取得しました。
授業とアルバイトを両立しながら毎日2時間以上の勉強を継続し、合格することができました。
この経験を通じて、計画的に物事に取り組む力と、継続する意志の大切さを学びました。
例文②:MOSの場合
大学でのレポート作成やゼミ活動をきっかけに、Word・Excelの操作スキルを強化したいと考え、MOS資格を取得しました。
効率的に作業する力を養い、学外の団体でも資料作成を任される機会が増えました。
今後は、業務の中でも正確かつスピーディーな作業に貢献したいと考えています。
転職・再就職向け|社会人向けの例文
例文①:医療事務の場合
事務職としての再就職を目指すにあたり、医療事務の資格を取得しました。
医療業界は安定した需要があり、長く働き続けられる環境だと考えたためです。
通信講座で学びながら家事と両立し、資格取得を通じて効率的な時間の使い方と実務知識を身につけました。
例文②:FP2級の場合
金融知識の必要性を感じ、自己啓発の一環としてFP2級を取得しました。
実務経験はありませんが、保険・税金・年金・資産運用などの知識を体系的に学ぶことで、ライフプランの設計や提案に必要な基礎力を身につけることができました。
学習を進める中で金融リテラシーの重要性を実感し、資格を活かして人の役に立てる仕事に就きたいという思いがより強くなりました。
今後は実務で知識を深め、お客様に信頼されるアドバイザーとして成長していきたいと考えています。
資格取得の理由を明確にしよう
資格を取ることはゴールではなく、目的を達成するための手段です。
就職・転職、スキルアップ、自己成長など、目的がはっきりしているほど学習も続けやすく、取得後の活かし方も明確になります。
また、企業側も「なぜこの資格を選んだのか」「どのように活かすつもりか」といった動機や考え方を重視しています。
面接や履歴書で理由を聞かれたときに、しっかりと伝えられるように、自分の言葉で目的や背景を整理しておくことが大切です。
自信を持って資格をアピールするためにも、なぜこの資格なのか?を一度立ち止まって考えてみましょう。
明確な理由があれば、その資格があなたの強みとして確実に生きてくるはずです。